FC2ブログ

Home > 2009年03月

2009年03月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • Comments (Close): -
  • TrackBack (Close): -

カセットプラント ファクトリー通信vol.0011(バックナンバー)

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

カセットプラント ファクトリー通信 vol.0011  2009/3/10発行
 
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

●目次
  【1】第3回福岡アジア美術トリエンナーレ2005、もうひとつのカセットプラント物語
  【2】展覧会情報
  【3】感想・ご意見募集

===================================
【1】第3回福岡アジア美術トリエンナーレ2005、もうひとつのカセットプラント物語
===================================

2005年に福岡アジア美術館で、第3回福岡アジア美術トリエンナーレが開催されました。
このとき山口は出品作品として、絵画、木版画の展示の他に、エントランスホールの大
きなガラス窓に数千個のカセットプラント作品を設置することになりました。一般参加者と
おこなうワークショップ用のカセットプラントも含め、約1万個のカセットケースが必要になる
との計画から、美術館のほうで準備していただけないかとお願いしていました。
それまでも、運良く様々な形でカセットケースの提供を受けてこれたのですが、カセットテー
プの需要がだんだんとCDやMDに移り変わっていく中で、継続して提供していただくことは
難しいという状況でした。とりあえず、できるだけ低価格で入手できる方法を探してくださ
るということで、お任せすることになりました。当時、カセットケースの交渉の担当をしていた
だいたのがトリエンナーレ交流係アシスタントをされていた塚田純子さんであると知ったのは、
カセットプラントの展示も無事に終わり、トリエンナーレ終了の打ち上げの会でした。そして
それは同時に、塚田さんがフランスに留学されるというお別れの会でもありました。
塚田さんはその後、さらにロンドンに…。そして去年、ようやく日本に戻られた塚田さんと
最近お会いする機会がありました。その当時、詳しくお聞きすることができなかったTDKとの
交渉のことなど、あらためて話を聞くなかで、ぜひ記録として残していただきたいとお願いし
たところ、快く引き受けていただきました。(→アジ美TDK編)
さらに、当時カセットプラント作品のために、お花の提供を交渉していただいたトリエンナーレ
展示係アシスタントの近藤和代さんも、今回、塚田さんの呼びかけに応じて当時の記憶
をたどっていただきました。(→アジ美お花屋編)

--------------------------------------------------------------
○アジ美TDK編

10,000個のカセットケース - - - 各家庭で不要になった中古のカセットケースを回収する
という方法もあると思いますが、その場合は、カセットケースの透明度の劣化やキズ、また
色や形がバラバラになるという問題があります。しかし、市場価格で100円前後のカセット
テープを購入するならば、単純計算して100万円かかるのです。

私は、まずカセットテープを製造販売している会社を5、6社リストアップし、その企業の特
性をリサーチしました。リサーチの内容は主にその企業がメセナ事業に力を入れているの
かどうか、文化事業はどういったことを行っているのか、誰に連絡を取るべきかです。
その情報をもとにアプローチ方法を考えたのですが、大まかには、文化事業部あるいは
営業担当者に、メールやファックスで山口啓介さんとカセッ トプラントの作品のこと、『第3回
福岡アジア美術トリエンナーレ2005』のことを説明したように思います。

しかし、なかなか文章だけでは一体何を言っているのか、なぜカセットケースが美術作品に
必要なのか伝わらないかのではないかと思い、またどこからもメールの返信が来ることはな
かったため、今度は電話で直接お話をすることにしました。実際に話してみると企業によ
って対応はさまざまで、とりあえず話を聞こうといった姿勢の方、「そういったことは一切受け
付けておりません」と門前払いの方、「カセットだったら他の会社の方がよいのではないか」
と他社を勧められる方といった具合でした。

この最初の頃のやりとりでも、やはりTDKの反応は比較的好意的だったと記憶しています。
何しろまだ作品自体を見て頂いてない状態での交渉だったので、この時点では作品制作
に対する支援というより、企業メセナとして協力を検討しますという印象ではあったのですが
、それでも、協力が期待できるかもしれないと感じ、次には、画像が美しくインパクトのある
資料を作り、担当者の方に送付しました。

すると今度はTDKの方から連絡があり、これは素晴らしい作品なので何らかのかたちで協
力したいとの答えをもらったのです。ただ問題は、タイの工場からの輸送になるため輸送費
が少々かかるとのことでした。しかし、ひとまず協力を得れそうな流れになり、ほっと一安心
したいところでしたが、万が一には会議で却下されてしまうのではないかと気が抜けず、
その時点では他社ともまだ交渉を続けておりました。ところが、再びTDKから電話があり、
タイから日本への輸送費、そして日本に到着した後の福岡アジア美術館までの運送費も
すべてTDKが負担し、カセットケース1万個を無償で提供しますという申し出を受けたのです。

こう文章にしてしまうとあっけないことの様に思えますが、それは期待を遥かに超えた申し
出であったため、私は本当に驚いて電話越しに深々とお辞儀をして、何度もお礼を言い、
大喜びしたのを覚えています。その後頂いたTDKの担当者の方からのメールには、自社製
品がこのような素晴らしい作品に使われることが、社員への励みと誇りになればと書かれて
いたのです。

(塚田純子)

--------------------------------------------------------------

○アジ美お花屋編

アジア美術館でカセットプラントのための花が必要だと聞いたので、
花屋を経営している古い友人に作品の主旨を説明し、
「処分するような花でよいので譲ってもらうことはできないだろうか」と相談してみた。
友人の声のトーンが多少落ち、少し悩んでいる様子。
友人の回答は「あることは、ある。提供できるけど、必ず名前をふせてほしい」とのことだった。
ちょっと意外な答えに思えたが、そのあとの友人の説明によると、
花屋にとって、「処分する花がある=花が余る」ということは、とても不名誉なことであり、
「どこどこの花屋がたくさんの花を提供した」と噂になると、
店の信用がなくなるということらしい。

あたりまえのことだったが、花は「生もの」なのだなあとあらためて気付く。

名前は絶対に公表しないという条件で提供を御願いし、了解を得る。
1日にでる量はあまりないということで、ある程度たまったら連絡してもらうようにした。

これだけでは問題があった。この花屋は美術館から車で1時間半ほどの遠距離にある。
トリエンナーレ期間中、コンスタントに提供してもらうにも、取りに行くにも不便であり、
1件の花屋でまかなえる量は限られていた。

そこでもう一人、美術館から車で数分のところで店舗を経営していた知人に相談する。
実は以前その知人から花屋のバイトを勧められたことがあったので、
ひょっとしたらと思ったのだ。

知人に主旨を説明し、花屋の経営者を紹介してもらえないかと聞いてみる。
先に花屋へ確認し、先方の了解を得れば連絡先を教えるとの返事。

数日後、とりあえず話を聞いてみましょうということになり、
経営者の方の連絡先を教えていただく。

経営者の方へ連絡。電話で主旨を説明する。
その方の返事も前の友人とほぼ同じであった。つまりは「名前は伏せてほしい」とのこと。

話を進めると、そこは数店の支店があり、
美術館が定期的に花を提供してもらうには適していた。

やはりその店も数日してからの方が多くの花をいただけるとのことで、
後日交流係のスタッフが改めて取りに伺うことになった。
こちらの花屋からは結果的に期間中週に1~2度、定期的に花をいただくことができた。
多い日は一人では持ちきれず、スタッフ二人ががりで運んだそうだ。

最初の電話をしてから数日後、友人の花屋へ行く。
そこにはバケツ数杯分の花が大切に冷蔵庫に保管されていた。
店の大切な冷蔵庫を使わせただけでも申し訳ないのに
その中にはどうみても処分とは思えない美しい状態の花も含まれていた。

あらためて礼をいい、名前をださないことを再度約束して
花を積み込み、そろそろと安全運転で大切な花を美術館まで運んだ。


今になってみると、どちらのお店も、通常であればタブーであることを
よく快く引き受けていただいたものだと思う。
改めて感謝の気持ちでいっぱいになった。


(近藤和代)


今から4年前のことになりますが、たくさんのかたの協力のもとで、あのカセットプラントの
展示ができたことを思い返しました。TDKからは、その後もカセットケースの提供を約束
していただき、2006年の越後妻有アートトリエンナーレの際には、さらに1万個のカセ
ットケースを無償で送っていただきました。みなさんのまごころによってカセットプラント作品
が成り立っていることにあらためて感謝の気持ちでいっぱいです。塚田さん、近藤さん、
貴重な記録をありがとうございました。

また、今年は「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009」が開催される予定ですので、
以下、あわせてお知らせします。

「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009(FT4)」
□会 期:2009年9月5日(土)~11月23日(月・祝)
□会 場:福岡アジア美術館及び周辺地域
FT4ホームページ http://www.ft2009.org/jpn/index.html
福岡アジア美術館  URL: http://faam.city.fukuoka.lg.jp



===================================
【2】展覧会情報
===================================


展覧会情報
山口啓介関連>>>

●第77回版画展招待作家展
会期:2009年4月6日(月)~4月21日(火)  20日(月)休館日
    9:00-17:00 (入場16:30まで)但し最終日は15:00(入場14:00まで)
会場:東京都美術館
主催:日本版画協会 

  
●浜口陽三生誕100年記念銅版画大賞

作品募集
応募資格:不問(国籍、経歴、年齢)。但しみずみずしい力あふれる作品を作る人。
       そして入賞した場合には、表彰式に参加できる方。
賞:大賞1名(賞金100万円)、副賞2名(賞金各40万円)、入選15名
審査委員長:建畠 晢 [国立国際美術館館長]
審査委員:北川フラム [アートディレクター]、池田良二[武蔵野美術大学教授]、
       山口啓介 [美術家]、吉澤美香[画家]
エントリー期間:2009年1月7日(水)午前11時~2009年3月15日(日)午後5時
作品搬入期間:海外から―2009年7月1日(水)午前11時~7月27日(月)午後5時
          国内から―2009年7月24日(金)午前11時~7月27日(月)午後5時
事務局:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
お問合せ先:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
        mail: yozo@yamasa.com fax. 03-3665-0257
http://www.yamasa.com.musee

開催趣旨         
浜口陽三(1909-2000)は20世紀半ば、銅版画と出会い、カラーメゾチントという技法を
開拓し、独特の作風で世界の人々を魅了しました。ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
は、ヤマサ醤油株式会社の個人美術館です。来る2009年は浜口陽三の生誕100年に
あたります。これを記念して銅版画を対象とした一回限りのコンクールを開催します。
陽三のパイオニア精神を尊重し、銅版画で新しい表現の地平を切りひらく、みずみずしい
作品を募集します。


Home > 2009年03月

Recent Comments
Recent Trackback
Search
Meta
Links
Feeds

Page Top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。