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2011年11月

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カセットプラント ファクトリー通信 vol.0021  2011/11/23発行

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 カセットプラント ファクトリー通信 vol.0021  2011/11/23発行
 
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●目次
【1】特別連載 対話:海野和男(昆虫写真家)x山口啓介(美術家) 第三回
  ・昆虫の社会-一匹狼型と集団型、クローン
  ・口のない昆虫-「何かを残すため」は、生きるということ
【2】展覧会情報
◆「わくわくアートスクール」カセットプラントワークショップ
  いわき市立美術館 2012年1月21-22日


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【1】特別連載 《0の宇宙/アナザーワールド 対話:海野和男 x 山口啓介》 第三回
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前回に続き、7月にギャラリーPIPPOにて収録された対話を連載いたします。

*第一回、第二回はこちらからご覧いただけます→
http://cpfactory.blog56.fc2.com/blog-date-20110914.html
http://cpfactory.blog56.fc2.com/blog-date-20111111.html


《0の宇宙/アナザーワールド 対話:海野和夫x山口啓介》第三回

■昆虫の社会-一匹狼型と集団型、クローン

山口:昆虫も社会をつくっているでしょうし、猫でも庭に遊びに来る野良猫を見て
いると、ボスがいて、それが連れてきた仔猫や弱そうな猫にえさを食べさせて、
見守っているような感じで自分は食べようとしない。人間以上に人間らしいなと
思ったりしますね。そういう社会性というのも、昆虫世界にもありますか?

海野:それは、社会性のあるものと、ない昆虫がいますが。

山口:ない昆虫というのはどういうものですか。

海野:例えばカマキリなんて社会性ないよね。一匹狼ですよ。ちっちゃい時だけ
一緒にいたりするのだけど、ほんとに生まれたときにね。食い合っちゃいますから。

山口:ああ、共食いですね。

海野:そうです、だから一匹じゃないと困るからね。

山口:蝶はどうですか?

海野:蝶はわり方、一匹狼です。僕は子供の頃ね、実は蟻はあまり好きじゃなかっ
たんですよ。集団でやるやつ、蜂でも狩人バチといって、一人で芋虫とか捕まえて、
地中に埋めてそこに卵を産むハチとかいるのですけど、そういうのはおもしろいん
ですけど。なんとなく全体主義的なハチとか蟻は嫌いでしたね。だけど、大人にな
って見直すと、その社会性がだんだん興味深く感じるようになってきて、今はおも
しろいと思いますね。その中でそれぞれの役割というのがあったりする。

山口:今のお話をお伺いしていると、カマキリなんかは一匹狼で、どこかアーティ
ストに近いのかもしれませんけれど、ハチなんかを見ていると、全体で一匹みたい
な感じがあると思います。

海野:そうそう、一匹は一匹なんだけれど、全体でも一匹という、そういうもので
すよね。その全体を維持するのに、例えばいつも全然働かないやつがいてもいい
とかね、全体でおもしろいことがあるみたいなのですけれども。

山口:不確かな聞きかじりですが、蜂の世界では女王蜂が一匹いて、あと働いてい
るのが全部メスのハタラキ蜂ですが、それではこどもができないからオスのハチが
どこかに飼われている。でもオスのハチは女王蜂と交尾するとさっさと巣を追い出
されてしまい、ハチの巣の下には、自分でエサを取れない雄バチの累々とした死体
があるという。

海野:そうですね、そういうふうなことは、もちろんあります。僕もミツバチを飼
っていたんですけど、ただ、自分の巣の蜂と交尾するのではなく、外に出て行って、
別の巣の蜂と交尾するのですよ。

山口:近親相姦にならないように?

海野:近親相姦やっちゃたら、その種は滅びますからそういうことはしない。ただし、
オス蜂は結婚しようとするのですけど、なんせね、メス蜂はそんなたくさんいません
から。新しい女王蜂は何匹も生まれるのです。ハチによるのです。ミツバチの場合
はそんなに数は多くない。それで、戻ってきますね、戻ってきて、そこで古い女王蜂
と喧嘩をするのか、古い女王が出て行くんですね。古い女王は半分ハタラキ蜂を連
れて出て行って、そういうようなことを繰り返しますね。そうするとそこのいい巣という
のは、新しいものに受け継がれるわけです。非常に保守的なんだな、ミツバチはね。
だから飼い易いわけです。オスは、結婚した後に巣に戻ってくる。だけど、ただの
大飯くらいだから、役に立たないものはもう出て行けということで、追い出されたり
するわけ、まあ殺しまではしないみたいだけど追い出される。後、死んだら外に捨て
られるそんなもんよ。

山口:遺伝子でも男の遺伝子と女の遺伝子というのがあって、男の遺伝子というの
は不安定で、昆虫の世界の中ではメスしか生まれないというものがあるとか。

海野:あります。

山口:メス同士が交尾して子供が生まれるのでしょうか?

海野:メス同士は交尾しない。交尾しないで子供が生まれるんですね。

山口:交尾しなくてできる?

海野:交尾しなくてできる。交尾しちゃいけません、交尾できません。

山口:それじゃあ、自分のクローンみたいな感じですか。

海野:クローンです、完全に。コノハムシに似た、ナラムシとかにそういうものがいて、
ほとんどクローンばっかり生んで、時々、オスがでる。なんで、時々オスが出るかとい
うと、オスが出ないとクローンしか生まれないので、そこで終わるのだよね。そこから
の発展がない。だから、時々オスが出たほうがいい。基本的にはね、安定した社会
ではオスなんかいらないのよ、生き物は。メスだけありゃいいのよ。

山口:メスだけでもクローンができるのなら、オスはいらないですね。

海野:安定していない世界では、やっぱりオスが必要なのよ。つまり変わるためには
オスが必要。だってもともと細胞が分かれて、こうやって勝手に生き物ができてきた
わけで、オスとメスができたというのは進化をしていくのにオスとメスがあったほうが
具合がいいから。遺伝子を変えられる、交換ができるから。

山口:そのわりには人間なんか、オスが半分くらいいるんですよね。

海野:うん、一応半分いますよね。オスメス半分ずつというのは、まだ不安定な状態。
例えば蝶々の場合には、僕が見ると基本的にはオスがきれい、メスは色がない。

山口:動物にもそういう傾向が強いですね。

海野:昆虫の中でも特に蝶がそうですね。本当は蝶々はみんなきれいになりたいん
だと僕は思うのだけど、メスはまず子孫を残すために目立ちたいんだけど、目立つと
困る。天敵に見つかりやすい。オスはともかく、できるだけきれいになってそれをメス
に見せびらかすのかとおもうと、どうも蝶の場合はメスに見せびらかすのではなくて、
トンボはメスに見せびらかすのですけど、蝶の場合はですね、オス同士、それを見
せ合って威張りあうのだね。そのへんがね、ちょっとね蝶々っていやらしいんですよ。

山口:つまりその、それで勝ち負けを決めることがあるんですか? オス同士で、まず?

海野:勝ち負けを決めるというか、遊びだね。遊びじゃないかもしれないけど、本人
たちはかなり真剣に喧嘩をするんですよ。例えばある場所、テリトリーですが、メス
が来そうな場所に陣取る、そういうような習性のあるものはみんなきれいな蝶で光
るやつです。メスがくると交尾をするんだけど、オスがくるとクルクルまわって喧嘩を
して片方を追い出す。そういうことをやっているのがどうも蝶々らしい。

山口:確かに蝶って、絡まって何かやっているようなものが素人目にもありますね。

海野:蝶々のオスにとってみると、メスはともかくオスは敵で、すごく単純なんです
けれどね。

山口:何か人間の女性に当てはまるような気もしますね。

海野:あっ、蝶のオスが人間の女性にね、そうね。

山口:時々いわれているのは、たとえば、カップルが歩いていて、男と女がすれ違い
ますよね、そうすると女性は男を見ているのではなくて、女性を見ているといいます
よね。男は絶対、女性を見ていると思いますけど。同性同士のたたかいがある。

海野:蝶々のメスが戦う場合はあまりないんですが、あるとすると産卵場所を巡って
戦うときがありますね。

山口:セミみたいな昆虫は俗にいう7年とかを土の中にいて、出てきて一週間といい
ますがそういう短い命なのでしょうか。

海野:一週間っていうのは嘘だね。大体一ヶ月に近いと思う。実はね、今、長野に
かなりいるでしょう、そうすると庭でセミが羽化するのが分かるわけ、例えばエゾゼミ
と言うセミが7月の10日に羽化したと。そしてはじめてエゾゼミの声を聞くのがその
一週間から10日くらいなんですよ。最初の一週間くらいは鳴かないみたいなんです。

山口:今日は福生という東京のはずれからきたのですけど、庭のセミが今日なき
出したんです。

海野:あそうですね、ちょうど今がアブラゼミとミンミンゼミがなき出す時ですね。
セミは大体春からいろんな種類が季節によって出てくるわけですけど。基本的に
餌を食うやつは長くて一ヶ月くらいは生きる、大体、三週間は生きると考えていい
ですね。僕の観察では最初の一週間だけ鳴かなくて、その後二、三週間は鳴きま
すね。一匹がね、不慮の事故にあわない限り。いつ終わるか分からないわけです
ね、命というのはね。だから精一杯虫は生きているんで、そういう姿見ているとや
っぱりいいなと思う。


■口のない昆虫-「何かを残すため」は、生きるということ。

山口:今いわれましたが、食わないセミというのもいるんですか?

海野:セミは基本的には餌を食うけれど、セミじゃないムシで、昆虫の中には親に
なると何も食わないという虫もいる。とくに蛾に多いですね。蛾の仲間で実はおとと
いにも写真を撮ったのですけれども、スズメ蛾というでっかい蛾がいるんですよ。
昔、マダガスカルというところに取材に行ったことがあって、口の長さが25㎝くらい
あるんですよ。それをダーウィンが見つけた。既にマダガスカル固有の蘭が見つ
かっていたけど、その花には、花の深いところに蜜があって、それを吸う虫がいる
だろうと予測した。その蛾がいないと実をつけられないと考えたわけ。そうやって
見つかった虫が、キサントパンというスズメ蛾の仲間。同じスズメ蛾の仲間でも全く
口のないものというのもいる。両極端でおもしろいなと思うのですけれど、僕は、
昆虫のカオの写真のコレクションをしているのですが、昆虫をアップで見るとね、
なんか見えないものが見えてくるというか、まあおもしろいから撮っているんだけれ
ども、数日前にそのスズメ蛾を撮ったの。で、たぶんこいつ口ないなと思ったの。
それで、一生懸命口のところをみたけどやっぱりなくて、普通、口って巻いているん
ですけどね。全くない退化しちゃって。つまりそいつは蛾になると、オスはメスを探す
わけ、メスは卵を産むだけという生殖機械。蚕蛾もそうですね。蚕蛾は人間が改良
しちゃったから飛べなくなったけども、たとえ飛べたとしても口がないでしょうあれは。
蚕は試してないけれど、山繭という蛾がいて、やっぱり絹が取れる、こいつは実は
口がない。口がない蛾というのは結構多いです。恐らく半分くらいないんじゃないの。

山口:それはちょっと驚きですね。ただ、蚕蛾は幼虫の時には一生懸命食べて
ますよね。

海野:そう、幼虫の時は食べてる。親になるとようするに卵だけ産めばいいという、
何のために生きているのか、それを考えると幼虫が本質なのかなと思ったりする
のだけれどね。

山口:口がなくなると、その蛾はその後、長くは生きられないのじゃないですか?

海野:そんなに生きられないよ。ただすごく胴体太くて栄養満点だから恐らく一週間、
二週間生きると思うよ。

山口:じゃあガソリンが入っているみたいなものですね。

海野:はいそうです。だから片道の燃料だけ入れた特攻隊みたいなものですよね。
とくに太いんですよスズメ蛾は。結構重いです。どこか閉じ込めて、どれくらい生き
るのか試してみるのもおもしろいかもしれない。

山口:家は兵庫の田舎にアトリエがあって、普段はそっちにいる方が多いのです
けど、夜、電気を点けていると、窓ガラスにものすごい蛾が窓に集まってくるんです
けれど、何か餌にして食っていると思っていましたよ。

海野:もちろん、食ってるのもいるんですよ。でも、かなりの蛾が食わない。

山口:口自体がないのですものね。

海野:口自体がないのが結構ある。退化しちゃっている。食物を探すよりさ、おま
えら大人になったらさ、ともかく相手を見つけてこどもを産んでって。産んだら死ん
でいいよって、人間と違って育てないからね。だから、昆虫の世界というのはもの
すごく合理的で、恐いですよ、ある意味。僕は虫好きだけどね、そういうの、考える
と恐いと思うね。

山口:そういうのを見ていると、本当は、なにか伝えるというか、残すためだけに
やっているという。

海野:そうですね。

山口:僕なんかも、こういう作品をつくろうとするのは、基本的にどこかそういう遺
伝子の記憶があるなとは思っていたのですけど、お話を聞いていて、だから、自分
の意思をもつ以前から、実は、本能的に残すために作品をつくっているようなところ
が既にインプットされていると、感じてきました。

海野:そうだよね。たぶんね、人間も創作活動するにもなにするにしてもね、何かを
残すためにやっている、生きているんだと思う。


                               (次回へつづく)

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【2】展覧会情報
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◆ 第9回 アートプログラム青梅『山川の間で』 2011
  会期:10月22日(土)―11月27日(日)

青梅市立美術館
9:00-17:00
(入館16:30まで、月曜日休館、入場料200円)

青梅織物工業協同組合施設
[BOX KI-O-KU、SAKURA FACTORY]
10:00-17:00
(月曜日休み、入場料200円、大学生以下無料)

吉川英治記念館
10:00-16:30
(入館16:00まで、月曜日休館、入場料-大人500円、
大高中学生400円、小学生300円、チラシ持参100円引き)

【参加作家】
(青梅市立美術館) 加納光於、山口啓介、廣澤仁、木村真由美、母袋俊也、
O JUN、Luca Bray、古谷利裕、赤塚裕二、原田丕、渋谷和良、平野健太郎、
石原陽子、木村友香、木島孝文、米原昌郎、
(BOX - KI-O-KU) 前沢知子、窪田美樹、作間敏宏、戸谷成雄、
(SAKURA FACTORY) 込戸かんな、神山明、川島亮子、
(吉川英治記念館) 高柳恵里、吉川陽一郎、(青梅市街) 水上嘉久

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◆「わくわくアートスクール」カセットプラントワークショップ
  いわき市立美術館 2012年1月21-22日
 
来年1月に、福島県のいわき市立美術館でカセットプラントの
 ワークショップを開催することになりました。
 現在、美術館とファクトリーのほうで準備を進めています。
 詳細が決まりましたら、随時お知らせいたします。

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【そのほかのご案内】

●Webギャラリー
【信州大学人文学部HP】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/
【人文ギャラリー】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/gallery/

●ラジオデイズ
「ラジオの街で逢いましょう」 
第220回 出演:山口啓介「カナリヤ」の役割 
ゲスト:山口啓介/ホスト:平川克美/アシスタント:浜菜みやこ
http://www.radiodays.jp/radio_program/show/301 
「ラジオの街で逢いましょうプラスワン」
http://www.radiodays.jp/item/show/200764

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編集   カセットプラント ファクトリー通信編集部 
発行   カセットプラント ファクトリー事務局
お問合せ info@cp-factory.sakura.ne.jp

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