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2012年07月

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カセットプラント ファクトリー通信 vol.0025  2012/7/22 発行

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 カセットプラント ファクトリー通信 vol.0025  2012/7/22 発行  
 
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●目次
【1】《自然と幻想の博物誌》展 豊橋市美術博物館       
【2】展覧会情報 ・その他
 ◆ 《自然と幻想の博物誌》展 豊橋市美術博物館
7月14日(土)-8月19日(日)  
【3】感想・ご意見募集
【4】ホームぺージのご案内
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豊橋市美術博物館にて、《自然と幻想の博物誌》展がはじまりました。
山口啓介さんのカセットプラント作品「光の樹」 と、「井戸の上のカセ
ットプラント」新作ドローイング数点が展示されています。
7月29日(日)と最終日の8月19日(日)には山口啓介さんと一緒に
カセットプラントのワークショップが開催されます。

また、8月1日から最終日までの期間、来場者の方にカセットプラントを
体験していただくオープンワークショップも予定されています。

 今回出品されているカセットプラント作品「光の樹」は、2005年の夏に
兵庫県伊丹市立美術館にて開催された、「いのちを考える-山口啓介と
中学生たち」展で制作、展示され、2006年越後妻有大地の芸術祭には
《光の庭、三ツ山5つの空気柱》として出品されました。    
 
下記に、本展覧会のカタログより、担当学芸員、丸地加奈子さんによる、
山口啓介-作品紹介の箇所を許可のもと転載させていただきました。  

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《自然と幻想の博物誌》展  カタログより

山口啓介 YAMAGUCHI,Keisuke ( p26-31)


「向こうから何か怖いものが来る、巨大なものが来る」というイメージが

つねに山口の手がける作品の根底にはあったという*1。活動当初は

棺桶や墳墓の形状にも似た巨大な物体「方舟」をテーマに大型の

腐食銅版画を手がけて注目を集めたが、不穏な未来と救済のイメ

ージが混淆した画面には、やがて原子力発電所や酸性雨、原爆投下

で知られる米軍爆撃機エノラゲイ といった具体的なイメージが影を落

とすようになる。冷戦後も獏とした不安が残る時代の中で、ノアのように

警鐘を発していた作家のイメージは、2011年3月11日に我が国において

現実のものとなった。
 
 1997年より始まるカセットプラントにも、この「方舟」のイメージは投影

されている。プラスチックのカセットケースのなかに樹脂で花や葉、種子

など植物の断片を封印し、それを集積していくという標本的な行為は、

植物の形状と情報を後世に残すべく保存するという「方舟」の使命に

沿うものであり、危機感と閉塞感に満ちた現在、我々が未来に向けて

成さねばならぬことのひとつかもしれない。素材として用いられるカセット

ケースも、本来その中身のカセットテープは音を記録する媒体であった

ことを思い起こすと、植物の発する声なき声、その生態系が奏でてきた

壮大な交響曲を録音しているとみなすこともできる。

 カセットプラントは当初、壁面に掲示される平面作品として手がけられ、

やがて1998年の《井戸の上のカセットキューブ》などのように立体的な

造形へと発展した。同作品では、カセットプラントで立方体を形成し、

その下に井戸にみたてたゴーラを置いている。ゴーラとは和歌山県の

古座川流域で使われていた山蜜蜂の巣箱のこと。水は植物によって

吸い上げられ、養分が蜜蜂を介してこの器に蓄えられるという循環が

よみとれる。

 このカセットプラントのバリエーションは、見上げるような壮大なスケ

ールの立体作品へと発展し、その一方で、各地で開催されるワーク

ショップにおいて、参加者が手ずから植物を封印して積み上げていく

共同の場としても機能している。

高層ビルのような外形を呈する《光の樹》は、実はなだらかな曲面の

連なりでできたいびつな円柱であり、上から見るとハート型にも似た

三角柱に近いことがわかる。これは作家のアトリエのある兵庫県

加東市東条の山の稜線から得た形を基盤とし、その形象から立ち

上がる光の柱とも、上からのぞきこめば「見えない水脈を引く、浅い

井戸」ともいう。この光の柱をカセットプラントが埋め尽くすことで、

多様な生命を育む世界樹ともいうべき、シンボリックな存在と化して

いる。制作のためのドローイングをみると、その成り立ちや構造が

わかるが、さらにこの《光の樹》に関わるドローイングがこのたび新

に手がけられた。これをみると大地に林立する《光の樹》が、かつて

銅版画などであらわされた「方舟」を取り巻いている。このたびの

方舟には航海ではなく、核施設を覆う使命が課され、《光の樹》から

ふたたび世界が植生を取り戻すシステム、再生への希望がそこには

描かれている。

*1『芸術と自然-美濃加茂自然環境会議2000』
 (美濃加茂市民ミュージアム)アーティストインタヴューより 
  
                丸地加奈子  豊橋市美術博物館学芸員
 
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* また豊橋展に際しまして、函館、いわき、和歌山、長野、東京、
  愛知など各地から、ドライフラワーや、乾燥シダ、両面テープ切り
  などのサポートをいただきました。
  ご協力くださったみなさま、本当にありがとうございました。

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【2】展覧会情報
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◆自然と幻想の博物誌 

出品作家
江本創・大森裕美子・柄澤齊・河口龍夫 
富田伊織・中村宏・山口啓介・渡辺英司     
 
会   期: 2012年7月14日(土)-8月19日(日) 
開館時間: 午前9時-午後5時(金曜日は午後8時まで夜間開館) 
休 館 日 : 月曜日
会   場: 豊橋市美術博物館1階展示室
主   催: 豊橋市美術博物館 
協   力: 豊橋市自然史博物館
入 場 料 : 一般・大学生 700円 / 小・中・高生 300円
美術館HP: http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/

■「カセットプラント/豊橋~こどもの方舟」 

カセットプラントワークショップ
講師:山口啓介
7月29日(日)午後1時30分~午後4時30分 
8月19日(日)未定 

*また上記は、8月1日~最終日まで、オープンワークショップ
 として来場者の方に随時参加いただくことができます。
 詳しくは美術館までお問合せください。 
 
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【そのほかのご案内】

●Webギャラリー
【信州大学人文学部HP】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/
【人文ギャラリー】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/gallery/
●ラジオデイズ
「ラジオの街で逢いましょう」 
第220回 出演:山口啓介「カナリヤ」の役割 
ゲスト:山口啓介/ホスト:平川克美/アシスタント:浜菜みやこ
http://www.radiodays.jp/radio_program/show/301 
「ラジオの街で逢いましょうプラスワン」
http://www.radiodays.jp/item/show/200764

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編集   カセットプラント ファクトリー通信編集部 
発行   カセットプラント ファクトリー事務局
お問合せ info@cp-factory.sakura.ne.jp

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