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2012年09月

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カセットプラント ファクトリー通信 vol.0026  2012/9/12 発行  

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カセットプラント ファクトリー通信 vol.0026  2012/9/12 発行  
 
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●目次
【1】《0の宇宙》展をふりかえって 中村翔子      
【2】展覧会情報 ・その他
  ◆アートプログラム青梅2012「存在を超えて」10月20日-11月25日  

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去年の7月、浅草の写真ギャラリーで開催された展覧会。
【0の宇宙】展。山口啓介のカセットプラントと一緒に展示されたのは
海野和男さんの昆虫写真でした。
その折に収録した海野さんと山口による対話を去年より数回にわたり、
ファクトリー通信でもご紹介いたしました。
今回は、企画を担当した中村翔子さんに、展覧会についてあらためて
ふりかえっていただきました。

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【0の宇宙】

小さきものの展覧会「0の宇宙-アナザーワールド-」。
2011年7月21(木)~8月7日(日)に開催。
写真ギャラリーのPIPPOで開催されたワークショップ「キュレーターって何?」
のメンバーで作り上げた本展。あれから1年。今振り返ってみようと思う。
本展はさまざまな可能性の探求を試みた。ホワイトキューブの可能性、
写真の可能性、そしてアートの可能性。

 展覧会場となったPIPPOはお世辞にも広い空間であるとはいえない。
物理的には展示可能なものが限られてしまう。しかし、そんなネガティブ
感情から展覧会を作っていくと、縮こまったものになってしまうし、物理的
な空間の狭さは果たしてネガティブなことなのかという疑問も残る。
ギャラリーという空間は鑑賞者が普段は使わないような感覚に刺激を与え、
それを押し広げたり、どこか見知らぬところへ誘ってくれたりするのではない
だろうか。鑑賞者を未知の世界にダイブさせてくれる。そんなギャラリーの
可能性を探求すべく、広さに捉われない展示にしようと思った。

「0」と「宇宙」は物理的な事象に捉われない無限性を現すものではないだ
ろうか。また両者はニアリーイコールで結ばれる関係にあるだろう。「0」と
いう数字「無」という概念は全てを包括させてしまう無限の数であるように
思う。それはまさに宇宙のようだ。もちろん「0」という数字にはギャラリーの
広さへのアイロニーも含まれているわけだが、先に述べたようにそれを
ネガティブなものとして捉えるのではなく、ポジティブに利用してしまおうと
いうことだ。本展の主人公である昆虫や植物たちも「0」に近い質量であると
言えるかも知れない。広くない空間で小さき者たちだけによって物理的大き
さに捉われない空間、宇宙を作り上げたかったのだ。

 宇宙にしたいのであれば、星の写真を展示すれば済んだことかもしれない。
しかし私たちが「宇宙」を感じるのは、星空を見上げたときだけだろうか。
スペースシャトルが打ち上げられるときだけだろうか。自分が住んでいる世界
とは全く別の世界に対して宇宙を感じることはないだろうか。昆虫の世界を
普段覗くことは余りないし、彼らと共生をしている感覚は日常においてあまり
ないだろう。しかし、地球上に存在する昆虫の数は人類の数をはるかに凌駕
する。人間からはかけはなれた彼らの外見。時にそれはモンスターを彷彿さ
せる。地球に生息する小さきモンスター、実は地球上にも宇宙が存在するの
である。

 徐々に役者がそろってきた。ここでさらにギャラリー空間を押し広げたくなる。
どう押し広げるのか。外にである。PIPPOには大きな窓がある。そこには下町・
浅草のやわらかい光が風情溢れる香りとともに差し込んでくる。ここに「カセット
プラント」を展示しようと決めた。「カセットプラント」とは今はあまり見かけなく
なってしまったが、カセットケースの中に樹脂を流し込み、ドライフラワーを閉じ
込めたものである。そこに光がさすとステンドグラスのように美しく幻想的になる。
窓にカセットプラントを展示することで、PIPPOに差し込む光をさらに感じてもらい、
鑑賞者の感覚をも外へ外へと押し広げたいと思った。

 昆虫の写真は、昆虫写真家の海野和男さんの作品。海野さんの写真は昆虫
の息遣いが伝わってきそうな写真だ。人間から見た昆虫ではなく、昆虫視線の
昆虫が納められているようだ。昆虫の世界を展開するには海野さんの写真しか
ないと思った。昆虫の顔面ばかりを集約したところには海野さんの新作も使わ
せていただいた。最初は昆虫たちにちょっと鳥肌が立ったり、、、なんだか全身
がかゆくなってきたりしたのだが、だんだんと愛着が湧いてきた。私自身、
海野さんの写真を通じ、今まで知る由もなかった昆虫を知ることができた。
私のお気に入りはツノゼミ(ワークショップメンバーの中でも賛否両論でしたが、、、)

 カセットプラントは美術家の山口啓介さんの作品。初めてカセットプラントに
出会ったのは越後妻有で開催されている大地の芸術祭の第2回目(2003年)だ。
私の記憶が正しければ(中学生の頃の話なので、、、)、山中のお寺の境内に
それはたたずんでいた。それからご縁があり2009年に新潟市内で開催された
「水と土の芸術祭」で山口さんの作品制作をお手伝いすることとなった。カセット
プラントはドライフラワーを閉じ込める。それは写真にも似ているかもしれない。
ある点を切り取って残す、写真の記録性に近い。しかし、写真と違うのは時が
進むということだ。ドライフラワーであっても、展示をしていくうちに色が抜け、
当初の華やかさはなくなっていってしまう。時間を閉じ込めているようで、時間は
カセットケースから流れ出すのだ。

 昆虫の世界と、カセットプラントから差込む光、そしてカセットケースから流れ
出す時間。それらが溶け合い、化学反応を起こしながら、PIPPOはゆるやかに
宇宙と化した。

 展示準備中にも、展示期間中にも数え切れないほどの反省点はあった。
あーすればよかった、こーすればよかった。この反省点はしっかりと次に活か
さなければいけない。

最後になったが、小さなものたちの展覧会であっても、多くの人の協力があって
成り立った展覧会である。この場を借りて、関係者各位にお礼を述べたい。
カセットプラントに閉じ込めたお花は浅草のお花屋さんからいただいた。感謝して
もしきれない。多謝。

また本展の開催が、今の自分の企画という仕事の励みにもなっている。
そしてまたいつかどこかで宇宙を作ってみたい。

                          2012年7月22日
                            中村 翔子

中村 翔子(なかむら しょうこ)
1987年 新潟県新潟市生まれ。新潟大学人文学部にてフランス現代哲学を専攻。
ジル・ドゥルーズにおけるシミュラークル論の現代アートへの応用を試みた。
2009年から「水と土の芸術祭」のサポーターとして活動。現在は東京で様々な
アートイベントの企画に携わる。



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【2】展覧会情報
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●アートプログラム青梅2012

「存在を超えて」

会期:2012年10月20日(土)-11月25日(日)

会場と参加作家
■青梅市立美術館
長谷川佐知子、原游、末永史尚、麻生志保、真部知胤、水上嘉久、望月厚介、
楠本正明、作間敏宏、原田丕、藤井博、藤澤江里子、母袋俊也、山口啓介、
池田龍雄、神彌佐子
時間;9:00 ―17:00 入館16:30まで、月曜日休館 入場料;200円、小中学生50円

■青梅織物工業協同組合施設 [BOX KI-O-KU、SAKURA FACTORY、更衣室]
BOX KI-O-KU:山岡敏明、千崎千恵夫、大川真実子、川崎広平
更衣室:田島史朗
SAKURA FACTORY:ミルク倉庫、戸谷成雄
時間;10:00 ―17:00 月曜日休み 入場料;200円、大学生以下無料

■吉川英治記念館
間島秀徳、サクサベ ウシオ、内田あぐり
時間;10:00 ―16:30 入館16:00まで、月曜日休館 入場料;大人500円、
中高大学生400円、小学生300円 チラシ持参100円引き

http://artprogramome.sakura.ne.jp/wp/?page_id=11

◆オープニング・レセプション

日時;2012年10月20日(土)13:00-13:30
会場;青梅市立美術館1F[ エントランスホール]

◆シンポジウム「存在を超えて」
日時;2012年10 月20日(土)14:00-17:00
会場;青梅市立美術館
基調講演; 谷川渥(予定)
パネリスト; 内田あぐり、長谷川佐知子、原游 ほか、(司会)森啓輔

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【そのほかのご案内】

●《自然と幻想の博物誌》展(終了)-豊橋市美術博物館での
 カセットプラントワークショップの様子などご紹介いただきました。
http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/exhivision/cp-workshop.html

本展のカタログはこちらからお求めいただけます。
*すでに残り少なくなっているそうですのでご希望の方はお早めに。
http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/goods_and_publications/zuroku.html

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●Webギャラリー
【信州大学人文学部HP】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/
【人文ギャラリー】
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/gallery/
●ラジオデイズ
「ラジオの街で逢いましょう」 
第220回 出演:山口啓介「カナリヤ」の役割 
ゲスト:山口啓介/ホスト:平川克美/アシスタント:浜菜みやこ
http://www.radiodays.jp/radio_program/show/301 
「ラジオの街で逢いましょうプラスワン」
http://www.radiodays.jp/item/show/200764

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編集   カセットプラント ファクトリー通信編集部 
発行   カセットプラント ファクトリー事務局
お問合せ info@cp-factory.sakura.ne.jp

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